英語の学習について

「速読力」をつけるには「多読」・・・?

TOEICを学習している人なら、リーディングパートを読んでいるときに、「速く読めるようになりたい」と誰もが感じたことはあると思います。

「速読力」をつけるには「多読」が有効な学習法であることは間違いありません。また、「多読」することは、速読力だけではなく、一般的な読解力においても良い影響を与えることと思います。

しかし、多くの学習者たちの問題は「多読するための時間」ではないでしょうか。とくに、学習時間の捻出に苦労されている方などは、コンスタントに多読する時間が取れないと思います。

一概には言えませんが、「多読」することでリーディング力の向上を感じるには、毎日60分程度の集中した読書を3か月程度する必要があると思います。このような時間をなかなか確保することのできない方は、「多読」以外の方法を探す必要があります。

 

「速く」読めるようになるには「ゆっくり」読むこと
馴染みのない内容の方もいるかもしれませんが、「速く」読む力をつけるためには「ゆっくり」読むことが大切です。言い換えれば、「速読力アップ」には「速読」するのではなく「精読」することが大切なのです。ゆっくり丁寧に読んでいくことが「速読力アップ」の唯一の方法だと言えます。

具体例を紹介します。次のような一文(TOEIC公式問題集のビジネスメールからの抜粋です)をどのようにして「精読」するかについてです。

Please note that there are a few requirements that must be met before we can release these funds to you.
 (a few「いくつかの」、requirement「要件」、release「譲渡する」、fund「資金」)

日本語訳:「あなたにこの資金をお渡しする前に、満たしていただかなければならない要件がいくつかあるのでご注意ください」

この文章を「精読」する際に頭の中で行われていることです。
① 「Please +動詞の原形」は「~してください」という依頼の文章である
② noteは他動詞なのでthatより後ろは名詞節としてnoteの目的語となる
③ there are~は「~がある」。a few requirementsは「いくつかの要件」
④ that must be metのthatは関係代名詞で先行詞はa few requirements
⑤ that must be metのbe met はbe+過去分詞で受動態。mustが助動詞なのでbeとなっている
⑥ releaseは「(権利、財産など)を譲渡する」。giveなどと同じように、「release(give) 物 to 人」となりやすい。

などということを一つ一つ確認していく読み方が「精読」です。単語だけをつなげていっても意味がとれそうですが、英文が長く、複雑になっていくにしたがい、結果的に「精読」するほうが早く読めるようになっていきます。

これら「精読」の繰り返しが「速読」につながっていくのです。

運営者:西田 大

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西田 大(にしだ まさる)

TOEIC講師、
英会話スクール講師、
会議通訳者、ガイド通訳者

TOEIC990点、英検1級、全国通訳案内士、IIBC AWARD OF EXCELLENCE、日本英語検定協会賞など。

元公立高校英語教諭。
現在は、企業、大学、英会話スクールなどでTOEICを中心とした講義を行う。
また、通訳としても、国際会議や大臣クラスのアテンド実績多数あり。

著書に『「音読」で攻略TOEICL&Rテストでる文80』、『TOEICテストに必要な文法・単語・熟語が同時に身につく本』、『英語力はメンタルで決まる』など。