英語の学習について

「英語学習書」の選び方②

「英語学習書の選び方①」では、学習書を選ぶ際には「タイトル」よりも「著者」を参考にするという内容とその理由でした。ここでは、他のいくつかの留意点を紹介します。

買いすぎない・持ちすぎない
書店の英語学習書コーナーには毎週のように新刊本が並べられます。出版社の多彩な広告戦略や魅力的なキャッチフレーズに誘われ、ついつい新しい学習書に手を出してしまうかもしれません。しかし、とりわけ英語学習においては、多くの学習書に取り組むよりも、一つの学習書にしっかり取り組むほうが効果的です
英語学習に限らず、どのような学習においても、学習の基本は「わからないこと」を「わかること」に変えていくことです。学習開始時に「わかること」が3割である状態を5割→8割→10割と増やしていくのです。

一つの問題集に取り組むほうが良い理由を、英文法学習を例に説明します。
英語学習者なら多くの方が、文法問題集に取り組んだことがあるはずです。その際、多くの人が「わからない文法」と「わかる文法」を分けて、「わからない文法」を繰り返し学習します。もちろん、こちらの方が効率的です。文法問題集の3割わかる状態で、「わかる文法」だけを繰り返し学習しても、「わかる文法」はずっと3割のままです。

一方、「わからない文法」を集中的に学習することにより「わかる文法」が3割→5割→8割となっていきます。この時点で、2割になった「わからない文法」こそが「自分に必要な部分(文法)」なのです。

ここで問題集を変えてしまう方もいるようですが、これは、「自分に必要な文法」のみが学習できる状態を無駄にしてしまうことになります。この残りの2割は、次の問題集に乗り換えても、また、その後もずっと学習されない状態が続く可能性が高いです。

「わかること」→「わかること」の学習を極力避け、「わからないこと」→「わかること」の学習を意識的に増やすべきです。このためのベストな方法が「一つの問題集を繰り返す」ことです。

学習書のレベルは控えめに
英語学習の目標やレベルは、効果的な英語学習を実現するうえでとても大切なことです。とくに「レベルの高すぎる学習書」には注意が必要です。

レベルの高すぎる学習書は、自分に合っていないレベルの高すぎる学習へとつながる傾向があります。

例えば、TOEICの対策本についてです。
TOEICの問題集は得点層別に分けられているものが多くあります。これは良いことだと思います。しかし、400点の方が「めざせ700点・・・」のようなものを選んでしまっているケースもあるようです。また、TOEIC990点(満点)はTOEIC全受験者の1%以下しかいないのに、「990点対策・・・」があれほど多く書店に並んでいるのもこの「レベルの高すぎる学習書」を選ぶ傾向を表しているようです。

TOEIC400点の人はまず500点を目指し、次に600点を目指すという自分のレベルに合った教材・学習法が大切です。

運営者:西田 大

西田 写真

西田 大(にしだ まさる)

TOEIC講師、
英会話スクール講師、
会議通訳者、ガイド通訳者

TOEIC990点、英検1級、全国通訳案内士、IIBC AWARD OF EXCELLENCE、日本英語検定協会賞など。

元公立高校英語教諭。
現在は、企業、大学、英会話スクールなどでTOEICを中心とした講義を行う。
また、通訳としても、国際会議や大臣クラスのアテンド実績多数あり。

著書に『「音読」で攻略TOEICL&Rテストでる文80』、『TOEICテストに必要な文法・単語・熟語が同時に身につく本』、『英語力はメンタルで決まる』など。