英語の学習について

リスニング

「TOEIC公式問題集」を用いた学習法

私がTOEICについての学習法についてお話させていただくときには、必ずと言っていいほど「TOEIC公式問題集(以下、公式問題集)」の話をあげさせていただきます。同時に、TOEICで高いスコアを出されている方の多くも、必ずと言っていいほど、公式問題集を使用されているようです。
ここでは「公式問題集」が多くの方から高く評価されている理由について、そして、その効果的な活用法についてお話しさせていただきます。

 そもそも「公式問題集」とは?
TOEICでは試験後に問題冊子を持ち帰ることができません。また、出題された問題の漏洩等も固く禁じられています。もちろん、英検などのように「過去問」も存在しません。これらのことから、実際のTOEICテストを再現することは非常に難しくなっています。

「公式問題集」は、TOEICテスト開発機関であるETSEducational Testing Service)が、実際のテストと同じプロセスで作成した問題が収録されている唯一の問題集なのです。このため、設問の設定方法や使用されている英文の質が、TOEIC本試験でのものと極めて近くなっているのです。リスニング音声も実際のTOEICテストのナレーターの音声が使用されています。現在(20201月)までに、リスニング編・リーディング編を含む8種類の公式問題集が発売されています。
(http://www.iibc-global.org/toeic/support/prep.html)。価格は高めですが、どれも高いクオリティーが保たれています。

「公式問題集」の効果的な活用法
公式問題集には様々な活用法があります。ここでは、特にTOEIC学習英語学習をを始めたばかりの方にお勧めのの3つの学習法を紹介します。

 ①「リスニングパートを音読する」
意外に思われるかもしれませんが、「リーディングパート」ではなく「リスニングパート」を音読するのです。理由は次の通りです。リーディングパートの英文は非常に難易度が高いため、音読する題材としては適切ではありません。(音読は、声に出している英語の意味が、自分で理解できなければ効果は薄くなります)。「リーディングパート」でも良質な英文が使用されていますが、難易度という観点から「リスニングパート」の英文のほうが音読には向いているのです。

 ②パート5(または、パート6)の短めの英文を精読する
TOEICの英文は非常に良質でauthentic(オーセンティック:実用度が高いもの)だと言えます。しかし、パート7などの長い英文をしっかり理解して精読していくことは英語上級者の方でもなかなか大変です。一方、パート5などの短文であれば、別冊解答に載っている日本語訳を用いて精読することは可能だと思います。このような地道な精読こそがリーディング力を上げるための最も効果的な方法なのです。

③公式問題集を用いて語彙力をアップさせる
②で紹介した学習法と関連していますが、公式問題集の別冊解答には全ての英文の日本語訳だけではなく、非常に丁寧な単語や熟語の意味が掲載されています。前述したように、TOEICで用いられている英語は非常に信頼のおける、頻出度が高いものなので、本文中に自分の知らない単語・熟語があれば、一つずつ覚えていきましょう。このような地道な作業が語彙力をアップさせる唯一の方法だと言えます。

「公式問題集」でスコアアップを
ここまで紹介してきましたように、「公式問題集」を「問題集」としてではなく、「学習書」や「単語集」のように使用することが大切です。こうすることで、英語力の向上やTOEICのスコアアップにもつながるはずです。ぜひ、実践してみてください。

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TOEICスコアを安定させるには、まずは「リスニングパート」から。

TOEICを受験される方は、誰しもがご自身のスコアに関心があるはずです。このスコアを安定させるためには「リーディングパートよりもリスニングパートの完成を優先させる」ことは大原則と言えそうです。

「リスニングパートのスコアは安定しやすい?」
「スコアを安定させるには、リーディングパートよりもリスニングパートを完成に近づける・・・?」という件に疑問を持たれた方は、ご自身のスコアカードをお確かめください。5回以上の公開テストを受験されている方なら、スコアシートからもリーディングパートよりもリスニングパートの方が、スコアがより安定していることに気づかれるはずです。

最大の理由は、リーディングパートでは大半の受験者が時間切れになってしまうからです。リスニングパートでは、受験者は全員、45分間音声に従って同じペースで試験を進めていきます。この「時間切れがない」ということが全ての受験者にスコアの安定をもたらしてくれるのです。

TOEICのリスニングスコアUPには「速聴力」をつけましょう
TOEICリスニングパートは全ての問題が一度しか読まれません。そして、問題と問題の間隔が極めて短く、また、パート3・パート4ではリスニング中に読まなければならない印字されている設問と選択肢の分量もかなり多くあります。多くの人がそのスピード感についていけないと感じられるはずです。

ここで必要とされるのが「速聴力」です。

速聴力とは文字通り「速く聴く力」ですが、もう少し補足するなら、「耳で聴いたこと」を「頭の中で理解する」までの時間を短縮する力のことです。TOEICパート3やパート4では平均して180wpm(1分間に180語)程度の速さで音声が流されます。これらを聴いて理解できるレベルの速聴力が必要とされるのです。

パート3やパート4は公式問題集のスクリプトなどを見てもらえばわかりますが、内容的にはそれほど高いものではありません。TOEICのスコア500点レベルの人であれば、活字にして読んでみると十分に理解できる内容です。また、ゆっくり読まれれば理解も可能です。しかし、実際には多くの受験者の方が「内容を理解できない」と口にします。

「聴いて→理解」の処理速度が、流れてくる音声の速度に追い付かなくなることが原因なのです。そのために、「速聴力」を高めるトレーニングを行うわけなのです。

「速聴力」を高めるには「音読」がおすすめ
「速聴力」アップには「音読」がおすすめです。
音読することで単語がフレーズ単位で頭の中に残ります。例えば、Thank you very much というフレーズを耳で聴いたときは「感謝してくれた」という内容が瞬時に頭の中に浮かぶはずです。これは何度もThank you very much というフレーズを口にしてきたために、頭の中にフレーズとその意味が蓄積されているのです。Thank「感謝します」you「あなたに」very「本当に」 much「とても」などと一語一語の理解ではありません。このようなフレーズ単位の英語を頭の中に多く蓄積しておくことで、「聴いて→理解」の処理速度が高まるわけです。

運営者:西田 大

西田 写真

西田 大(にしだ まさる)

TOEIC講師、
英会話スクール講師、
会議通訳者、ガイド通訳者

TOEIC990点、英検1級、全国通訳案内士、IIBC AWARD OF EXCELLENCE、日本英語検定協会賞など。

元公立高校英語教諭。
現在は、企業、大学、英会話スクールなどでTOEICを中心とした講義を行う。
また、通訳としても、国際会議や大臣クラスのアテンド実績多数あり。

著書に『「音読」で攻略TOEICL&Rテストでる文80』、『TOEICテストに必要な文法・単語・熟語が同時に身につく本』、『英語力はメンタルで決まる』など。